韓国でインフルワクチン接種後に死亡例、なぜ起こったの?医師が解説します。

皆さんは今年インフルエンザワクチンはうちましたか?

コロナ禍において衛生意識がかつてなく上がっている今日この頃なので、ワクチン接種したという人は例年に比べ多いと思いますし、その中にはワクチンについて少し調べてみて、韓国でインフルエンザのワクチンを摂取した結果多くの人が亡くなってしまっている事件を目にした人もいるのではないでしょうか。

今回はその韓国でのインフルワクチン接種後死亡事件について詳しく解説していきます。

韓国でインフルエンザワクチンの死亡例が多発したのはなぜ?

まず韓国の状況をおさらいしておきましょう。

韓国ではインフルエンザワクチン接種後の死者が11月5日午前0時時点で94人になりました。

韓国の疾病管理庁によると、「死亡例のうち87件について疫学調査、基礎調査、解剖結果などを検討したが、何もワクチンの異常反応と推定される所見はなかった」「今回の全ての死亡事例は基礎疾患による死亡の可能性が高かった」「解剖の結果、大動脈剥離、急性心筋梗塞、脳出血、窒息、肺炎など他の死因があった」ということを発表しており、残りの7人についても死亡と予防接種の因果関係は認められない可能性が高いでしょう。

ではなぜ、韓国ではこれほどまでに死亡者が出ているのでしょうか。

その理由の一つとして考えられることは、韓国において今年から、高齢者や子供を対象としたインフルエンザワクチンの無料接種が大きく広がったことが挙げられます。

これにより、インフルエンザワクチンを接種した人数が増えた結果、ワクチンとは関係ない死亡でもインフルエンザワクチンが関係しているように感じてしまったためかと考えられます。

日本では異常な死亡者数増加はみられていない?

現在、日本でインフルエンザワクチンを接種した後に死亡したという事例が相次いでいるということはありません

異常な死亡者増加も見られないため、インフルエンザのワクチンを接種した人も過度に心配する必要はないでしょう。

インフル予防接種後気をつけるべきこととは?

ただ、インフル予防接種後の異常死が日本では増えていないからといって、接種後に普段どおりの生活を送っていいわけではありません。

まず大前提として、インフルの予防接種はインフルエンザウイルスを不活化したり弱毒化したもの、わかりやすく言い換えると死んだインフルエンザウイルスのようなものを体に取り入れる行為です。

そのため、風邪のような症状がでたりしてしまうことがありますし、そのようなことがなくても接種後は一時的に免疫機能が低下してしまいます。

このコロナ禍においてはそのような免疫機能の低下はたとえ一時的であっても命取りになってしまうリスクを孕んでいることはご承知ください。

特に、インフルエンザワクチンを接種する高齢者の方や糖尿病や高血圧、その他生活習慣病や呼吸器疾患などの基礎疾患をお持ちの方は接種後はしばらく三密を避ける、五つの小を避けるなど注意してください。

また、接種後は接種部位からの感染リスクもありますので当日は湯船は避け、シャワーで済ませてください。過度な運動はワクチンによる炎症反応を惹起する恐れがありますのでおやめください。

最後に、接種した部位が異常に腫れていたり、発熱や頭痛などの副作用が出る可能性もあるのでそれらが起きていないか注意し、もし気になる症状等があれば主治医にご相談ください

インフルエンザ薬の予防内服とは?

インフルエンザ薬の予防内服についてご存知でしょうか。予防内服とは、実際の治療に使われる薬を予防目的で使用することです。

例えば、受験や大事な会議など、ご自身やご家族に、どうしても休めない用事がある時、また、ご家族や会社の同僚など周囲の方がインフルエンザに感染された時、抗インフルエンザ薬を服用することで、インフルエンザの感染を予防することができます。

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インフル予防内服薬のオンライン診療について

監修:クリニックフォアグループ医師 

公開日:11月26日

参考文献

抗インフルエンザ新薬「ゾフルーザ錠」について 【薬剤科】 https://omaezaki-hospital.jp/category/activities/good-story/inful-xofluza/

インフル予防接種後の死者計94人に=韓国 | 聯合ニュース https://jp.yna.co.kr/view/AJP20201105004400882

インフルワクチン接種後死亡83人、全員基礎疾患もしくは他の死因=韓国 | YAHOOニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/98d897730ce483eb611bb56e587f04ad0b2b37b0