ニキビ跡って治療で消せるの?正しい治療と対策について、医師が解説します。

ニキビが治ったのにニキビ跡ができてしまったという方、昔からニキビ跡に悩まされていて治療を考えているという方へ、今回はニキビ跡を消すためにどうすればいいのかについて解説いたします。

ニキビ跡の種類には何がある?

ニキビ跡を消す方法についてご紹介する前に、まずはニキビ跡の種類についてご紹介していきます。
ここではニキビ跡として代表的な2つのタイプのニキビ跡について説明いたします。1つは色素沈着です。赤ニキビや黄ニキビとなり、ニキビが炎症を起こすと、肌の中の色素細胞のメラノサイトが刺激されてシミの原因となるメラニンが生成されます。そのため、ニキビの跡として色素沈着ができてしまうと考えられています。
特に日本人は黄色人種ですので、黒色メラニンがもともと肌に多くあるとされています。そのため、炎症後の色素沈着が目立ちやすいことが特徴です。

もちろん、できてしまったメラニンはずっと同じ濃さのまま肌に存在しているのではなく、時間がたつと徐々に薄くなっていきます。ですが、紫外線対策を充分にしないまま、ニキビ跡の色素沈着がある状態で紫外線を浴び続けてしまうと、メラニンが過剰に作られ、皮膚のターンオーバーのみではメラニン色素を排出することが難しくなるため、シミとして肌に残り続けてしまうのです。

もう1つはクレーターとも呼ばれる状態、ニキビができていた部分の皮膚が凹んでそのまま跡として残ってしまう状態です。目で見えている肌の表面のことを表皮と呼ぶのですが、このすぐ内側にある真皮という部分は、コラーゲンやエラスチンという物質で構成されています。コラーゲンやエラスチンは皮膚を支えるとともに弾力や形を保つ働きがあるのですが、この真皮中層から広くにわたって炎症が起こると、コラーゲンやエラスチンにダメージが加わってしまい、皮膚を支えることができなくなるため、皮膚が陥没してクレーターとして残ってしまうのです。クレーターも先ほどの色素沈着と同様に、赤ニキビや黄ニキビといった強いニキビの炎症が引き起こされると起こりやすくなります。

ニキビ跡に対するホームケアは何が効果的?

ニキビ跡を自宅でケアしたいと考えた場合、どのような方法があるのでしょうか。

ニキビ跡のホームケアとしてご提案する方法は3つあります。

1つ目は、紫外線対策です。紫外線対策をすることで、色素沈着のニキビ跡の悪化を防ぐことができます。

2つ目はピーリングです。ピーリングとは皮膚に医薬品を塗り、皮膚に刺激を与えることによって起こりうる現象や効果を利用して行うものです。ピーリングを行うことでターンオーバーが促進され、色素沈着によるニキビ跡を早期に改善できるようにサポートしてくれます。

3つ目は、L-システインやトラネキサム酸などを含有しているお薬の内服です。市販薬でもシミを薄くするなどと謳っているものにはニキビ跡の色素沈着を薄くする効果のある成分が入っていますのでまずは市販薬を活用するのも良いでしょう。

しかし、ピーリングについても市販薬についても、医療機関から処方される薬と比べれば成分量は少なく、短期間で目に見える効果が出る可能性は低いということは理解しておく必要があります。

また、ここまでの内容を見てお気づきかもしれませんが、ここに記載しているものはすべて色素沈着のタイプのニキビ跡に対するホームケアです。

実は、クレーターとなってしまうとホームケアでの改善はほぼ不可能と考えられています。このことから、ニキビ跡を確実に治したいという方は、医療機関で治療を受けられることをおすすめします。

ニキビ跡に対する飲み薬・外用剤を用いた治療法とは?

まずは、ニキビ跡に対して皮膚科などの医療機関で飲み薬や外用剤を用いて行われる治療方法についてご紹介します。

まずは飲み薬です。クリニックフォアでは飲み薬はシナール・トランサミン・ユベラ・ハイチオール・ノイロビタンを使用します。

シナールはビタミンC、ユベラはビタミンE、ハイチオールはL-システイン、ノイロビタンはビタミンB1、B2、B6、B12を主成分とするお薬で、肌の代謝を良くしてターンオーバーを促す効果が期待できます。

また、トランサミンは主成分であるトラネキサム酸がメラノサイトの活性化を抑制してくれるので、ニキビ跡の色素沈着を薄くする効果が期待できます。

全てのお薬が市販薬での販売もありますが、含有量に大きな差があります。市販薬の場合、医師が継続して観察できないなどの理由から高い含有量にできないことが理由です。
特にトラネキサム酸は、医療機関で処方してもらう場合は1日分の最大量は2000mg、下限は750mgとなっており、市販薬の約2倍の量を摂取することができます。市販で購入をされるよりも医療機関で処方される場合の方が、より高い効果を得られると言えるでしょう。

外用薬として処方されることが多いのはハイドロキノン、トレチノインです。

ハイドロキノンは、紫外線が色素細胞にあたった際にメラニンを作るために出てくる酵素を抑制する働きがあり、色素沈着を起こさせない効果が期待できます。

トレチノインは、表皮の細胞を活発に増殖させることによってターンオーバーを促進することで今あるシミを追い出す効果が期待できるお薬です。

この2つの外用薬を組み合わせて治療することでニキビ跡の色素沈着をより効果的に薄くすることが期待できます。

ただし、深い真皮まで達しているクレータータイプのニキビ跡に対しては、ダーマペンやフラクショナルレーザーといった、機械を用いた美容施術がおすすめされます。

ニキビ跡に対する施術方法とは?

次に、ニキビ跡に対して高い効果が期待できる医療機関で行われる施術について解説します。

色素沈着のタイプのニキビ跡を早く治したいという方におすすめなのが、マッサージピールと美白点滴です。

マッサージピールとは表皮の剥離を引き起こさずに、真皮深層に働きかけることでコラーゲンの産生を促進するピーリングです。マッサージしながらピーリング剤を馴染ませていきます。ケミカルピーリングなどと比べて皮膚をはがすことはないので、肌トラブルが少ないことが特徴です。

美白点滴とは、言葉の通り、美白に対して高い効果が期待できる成分を点滴で投与する方法です。血管に直接投与することで高い効果が期待できるのです。どちらも1度の治療でも効果は期待できるものの1週間に1度のペースで、4~6回程繰り返し治療をしていくことで、色素沈着のニキビ跡を薄く目立たなくすることができます。

クレータータイプのニキビ跡、そして色素沈着タイプのニキビ跡、両方のタイプに効果がある施術はダーマペン、フラクショナルレーザー、水光注射です。

ダーマペンとは肌に微細な穴を開けることで、肌の本来持つ再生治癒力を引き出し、ニキビやニキビ跡、毛穴の開き・黒ずみ、お肌のざらつきを改善する治療方法です。肌そのものが自ら再生していくため、クレータータイプのニキビ跡に対しても高い効果が得られるのです。
また、その針で開けた微細な穴に、肌悩みに合わせた美容成分を注入することで、ダイレクトに成分が届き、高い効果を期待できます。ダーマペンを使用した後にマッサージピールを塗布するベルベットスキンや、ご自身の血液から抽出した血小板であるPRPを導入するヴァンパイアフェイシャルという治療など、ダーマペンの中でもさまざまな種類があります。

水光注射も同様に極細の針を使って肌に美容成分を直接注入していく治療法です。ヒアルロン酸を使用することによって肌が内側からふっくらとしてくるので、クレータータイプのニキビ跡への効果が期待できます。

フラクショナルレーザーは、CO2レーザーで微細な格子パターン状に熱刺激を加え、肌の生まれ変わり効果によってニキビ跡の改善を目指す治療法です。

穴をあける、針を刺すと聞くと痛いと思われるかもしれませんが、針については髪の毛よりも細い針を使用していますので少しチクチクとする程度です。また、施術前には麻酔クリームも使用するため、痛みの対策は万全に行います(クリニックフォアでは麻酔クリーム代は施術料金に含まれています)。ここでご紹介した治療はすべてクリニックフォアグループの美容皮膚科でも施術を行っております。

ニキビ跡が気になる方、市販薬などを試したが効果が出ない方、ニキビ跡の治療に即効性を期待しているという方は、クリニックフォアグループのオンライン診療や美容皮膚科での施術を試してみてはいかがでしょうか。

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クリニックフォアのオンライン診療について

また、自宅で手軽にニキビ跡に対して高い効果を得たいという方は、日本の皮膚科医が監修したメディカルスキンケアプログラムsai+skincareを活用してみてはいかがでしょうか。

sai+ skincareは、年間10000件以上の美容皮膚科臨床ケース、学術論文によって、安全性と高効果が認められた医療成分を使用しています。また、美容皮膚科に精通する医師がオンラインでしっかりと一人ひとりの肌悩みに向き合い、濃度や組み合わせがカスタマイズしてくれるので、より高い効果を実感できるのです。

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参考文献

資生堂 https://www.shiseido.co.jp/haku/laboratory/dictionary/21.html

エスエス製薬 https://www.ssp.co.jp/hythiol/troublenavi/shimi/pigmentation.html

KOSE https://www.kose.co.jp/shirosumi/bihaku/detail/02.html

花王 https://www.kao.com/jp/skincare/skin/structure-04/

日本理化学薬品 https://www.nipponrika.co.jp/amino/detail03/

日本皮膚科学会 https://www.dermatol.or.jp/qa/qa25/q12.html

日本ざ瘡研究会 http://www.ibmd.jp/zasou/qa.html#q11

医薬品インタビューホーム https://www.fuso-pharm.co.jp/cnt/seihin/parts/072/072_i.pdf

第一三共ヘルスケア https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/site_transino/transino-2/component/tranexamic/

自治医科大学 https://www.jichi.ac.jp/keisei/tre-hq/tre_shimi.html