筋トレに励まれている方は、筋トレだけでなく内面、つまり食事からも筋肉にアプローチをしたいと考えられるのではないでしょうか。ただやみくもにトレーニングをするだけでなく、筋肉作りのために必要な栄養素に着目することで、より効率よく筋肉を作ることも可能であると言えます。
今回は、筋肉作りに効果がある栄養素についてご紹介します。
1.筋肉作りに必要な栄養素とは?
たんぱく質
筋肉を作るために特に着目しておきたいのがたんぱく質です。人の身体は水分が60%ほどでできているということは有名な話ですが、タンパク質は人の身体の約16%を占めています。人の体を構成するたんぱく質の8割が筋肉であるといわれています。そのため、筋肉を作るためにもタンパク質を積極的に摂取していくことが重要であると言えるのです。
筋肉作りをされている方のたんぱく質の推奨摂取量ですが、これはトレーニングの強度や頻度によっても異なります。おおむね、体重1kgあたり2g程度のたんぱく質が必要と言われています。つまり、体重60kgで筋肉を作りたいとトレーニングに打ち込まれている方なら1日に約120gのたんぱく質を摂る必要があります。運動をしていない一般の方は、体重1kgあたり1g程度のたんぱく質の摂取が推奨されていますので、運動をしていない方の2倍近くの量のたんぱく質を摂ることが必要です。タンパク質には脂質を多く含んでいる食材も多くあります。ですので、低脂質高たんぱく食を意識されることをおすすめします。
糖質
また、やみくもにタンパク質のみを摂取していれば、筋肉アップが期待できるというわけではありません。たんぱく質だけでなくバランスよく食事を摂って頂くことが推奨されますが、特にタンパク質と一緒に摂って頂きたいのが糖質です。糖質と一緒に摂ることで、たんぱく質の分解と吸収を促進したり、身体を機能させるための栄養としてたんぱく質が使われることを防ぐ働きがあるため、効率よく筋肉へ栄養を送ることができると考えられています。
ビタミンB6
さらにビタミンB6はタンパク質の合成や分解を促進するため、合わせてとりたい栄養素です。
2.効果的な食べ物は?
それでは、具体的に筋肉を作るためにはどのような食べ物が効果的なのでしょうか。
たんぱく質は、肉・魚・卵・大豆製品・乳製品などに多く含まれています。この中で、先ほどもご紹介したように低脂質高たんぱくを意識するとすると、以下のような食事が望ましいと考えられます。
まず肉ですが、鶏のムネ肉やささみ、牛や豚のもも肉やヒレ肉などの赤身部分を積極的に活用しましょう。魚では、比較的どの種類のものを摂取しても低脂質にはなりますが脂ののっているものは控えるとよいでしょう。植物性たんぱく質ともいわれる納豆や豆腐といった大豆食品がおすすめです。
先ほどご紹介したビタミンB6は、マグロの赤身やカツオ、赤ピーマン、キウイやバナナに多く含まれており、タンパク質と一緒に摂ることが望ましいです。
また、これらの食材を使いつつも大切にしたいのは調理方法です。例えば、卵であっても卵焼きやオムレツなど脂を使うものとゆで卵では脂質の量が異なります。洋食よりも和食の方が脂を使わずに作れるものが多くあります。このように食事のメニューをより、低脂質高たんぱくになるように検討されてみてはいかがでしょうか。
3.トレーニングしない日の食事は?
筋肉を作るためにトレーニングをされている方は、なるべくトレーニングがない日もたんぱく質を同量で摂取されることが望ましいといわれています。
また、タンパク質は体内にためておくことはできず、都度代謝をされます。1回の食事でたんぱく質だけをドカ食いすることは健康へも影響が出る可能性があります。ですので、さまざまな食材を活用してメニューを作り、こまめに摂取するようにしましょう。
4.プロテインだけ飲めばいいの?サプリも効果的?
筋トレ後に効率よくタンパク質を摂取するとなると、最も手軽にかつすぐに摂れるのがプロテインではないでしょうか。プロテインにもその原材料からさまざまな種類があります。特に牛乳を原材料に作られているホエイプロテインは運動時の筋肉でエネルギー源となる必須アミノ酸であるBCAA(バリン、ロイシン、イソロイシン)が多く含まれているため、トレーニングや運動の後に筋肉へ栄養を補給するには最適であるともいわれています。また、大豆が原料で作られているソイプロテインも、カロリーが少ないということからダイエットを兼ねて運動やトレーニングをされている方に最適ともいわれています。
公開日:5月15日
監修:クリニックフォアグループ医師
参考文献
日本薬学会 https://www.pharm.or.jp/dictionary/wiki.cgi?BCAA
健康体力研究所 https://kentai.co.jp/nutriology/powerup.html
日本整形外科学会公式 https://locomo-joa.jp/check/food/recipe_muscle.html