特定保健用食品(トクホ)って何?医師が解説します。

特定保健用食品、通称トクホをご存知でしょうか。

健康食品の一種で、似たようなものに機能性表示食品や栄養機能食品といったものがあります。

今回はそんな特定保健用食品(トクホ)について、詳しく解説していきたいと思います。

特定保健用食品(トクホ)って何?どういう食品に表示されているの?

まずは特定保健用食品(トクホ)とはどういった食品に表示されるものなのかを解説します。

特定保健用食品(トクホ)について、厚生労働省のホームページには「生理学的機能などに影響を与える保健機能成分を含む食品で、消費者庁長官の許可を得て特定の保健の用途に適する旨を表示できる食品」のことです。

「生理学的機能」とは、体内で起きている栄養の吸収や、その合成・分解などの代謝反応(例:血糖値の上昇・下降、脂肪の分解)や、器質的な臓器の動き(例:消化管の蠕動などの運動)などのことです。

特定保健用食品(トクホ)は、そういった代謝反応などに良い影響を与える「関与成分」を含んでいるという表示をしても良いと消費者庁長官が許可した食品のことです。表示内容の例、「血糖・血圧・血中のコレステロールなどを正常に保つことを助ける」「お腹の調子を整える」「骨の健康に役立つ」などがあります。

特定保健用食品(トクホ)として認められるには、査読というチェックの必要な研究雑誌に論文が掲載されることが条件となっています。

特定保健用食品(トクホ)は機能性表示食品や栄養機能食品とどう違う?

では、特定保健用食品(トクホ)とよく似た表示である機能性表示食品や栄養機能食品と、どう違うのでしょうか。

機能性表示食品は、2015年に新たに加わった表示です。特定保健用食品(トクホ)との最も大きな違いは、特定保健用食品(トクホ)は消費者庁長官が許可したもののみ表示できる一方で、機能性表示食品は、事業者の責任で消費者庁長官に届け出を行うだけで表示できるというところにあります。つまり、特定保険食品は国の審査が必要な一方、機能性表示は国の審査が必要ないということです。

栄養機能食品は、科学的根拠が既に十分にある栄養素を補給することを目的とした食品で、その含んでいる栄養素に対応する栄養機能を表示できるというものです。

栄養機能食品に表示できる栄養素としては大きく分けると「ビタミン」「ミネラル」「n-3系脂肪酸」があり、これらに関しては「日本人の食事摂取基準」に基づいた1日の摂取目安量などの表示義務を守れば許可や届け出なしに表示できるという食品です。

参考文献

特保(特定保健用食品)とは?|e-ヘルスネット(厚生労働省) https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-01-001.html

「特定保健用食品(トクホ)」とはなんですか?|サントリー https://www.suntory.co.jp/customer/faq/001935.html 

機能性表示食品について|消費者庁 https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/foods_with_function_claims/