マカにはどんな効果がある?飲むべき時間や摂取量・副作用について、医師が解説します。

マカという成分を耳にしたことがある方も多いかと思います。最近ではコンビニエンスストアなどでマカが含まれた飲料などが売られていたりもします。

サプリメントを含む食品は医薬品とは異なり、身体への構造や機能への影響を表示することは原則認められていません(疾患に対する診断・治療・予防・軽減の表現は一切認められていません)。しかし、現実的には、世の中にまるで効果があるように謳われている成分が多く存在することは事実です。また、一部の成分は、たしかに海外では効能を謳うことを認めらる成分であったり、古くから民間療法で使用されており、間接的な効果が否定できないということも事実ではあります。

医師から見て、各成分がどのように見えているのかを共有することは、一定程度の意味があると考え、記事を作成致します。

マカは滋養強壮や男性の機能に影響するというイメージがあるかと思いますが、「実際にはどのような成分が含まれているのか」、「どういう効能があるのか」について詳しくご紹介します。

マカって何?どんな成分が含まれているの?

マカとは、南米ペルーのアンデス山脈に自生し、根菜の一種、アブラナ科の植物で大根やカブと同じ種類になります。アンデス山脈は気候がかなり厳しく、アンデス山脈で自制できる植物は非常に少ないといわれており、だからこそ、この環境で育つマカは植物内に栄養が非常に凝縮されているのです。そのため、アンデス地方ではさまざまな効能を求めて、摂取されています。

マカには、9種類の必須アミノ酸 (体内では合成されないため食物から摂取しなければならないアミノ酸)を加えた18種類のアミノ酸をはじめ、鉄・カルシウム・亜鉛などのミネラル、食物繊維、ビタミンなどがバランスよく配合されています。

中でも、マカに含まれる成分の代表と言われるのがアルギニンです。

マカに含まれるアルギニンとはどんな成分?

このマカに含まれるアルギニンとはどのような成分なのでしょうか。

アルギニンはアミノ酸の一種であり非必須アミノ酸であるため、体内で合成することはできます。ですが、年齢を重ねると共に体内での合成量が減り、40歳代では、最も多く分泌される10代の約半分にまで低下するといわれています。さらに手術後など体力の消耗が著しいときにも体内での合成が減るため、積極的に摂取することが必要になります。

アルギニンには成長ホルモンの合成を促進する効果が期待でき、脂肪の代謝を促してくれるため、筋肉組織を強化したり、身長を伸ばしたりしてくれます。

さらに、免疫力の向上が期待できます。アルギニンは体内で一酸化窒素の産生を高めることによって細菌やウィルスに対する抵抗力を高める働きがありますし、体内で発生するがん細胞を攻撃する働きが期待できるともいわれています。

これ以外にも、血流を改善することで精子の量や運動性を上げる効果も期待されています。

マカにはどんな効果があるの?

マカにはさまざまな効果が期待できます。

<滋養強壮、男性機能の改善>

最も期待できる効果は滋養強壮、および、精子の形成に関わる成分を含んでいる結果としての、精液量や精子数、運動性精子数、精子運動性の向上で、これらは、研究結果としても出ています。男性ホルモンに影響はないため、純粋に精子の質を高めるという効果が期待できます。

また、精子の質だけでなく性欲にも関係するといわれています。マカに含まれるグルコシノレート精力を高めて性欲を向上させる効果が期待されています。ですので実際に数か月マカを摂取した方の性欲が改善されたという結果が出ています。

さらに、血流の改善をすることが期待できるため、勃起にも関与することが考えられています。そのため、マカは亜鉛や葉酸とともに男性の妊活用サプリメントとしても注目されています。

<疲労回復>

疲労回復効果も期待できます。マカには他のアミノ酸とともにエネルギー代謝システムであるTCA回路でエネルギーを効率よく生み出す作用があるため、疲労回復を早めてくれます。これに加え、肝臓内の尿素回路の働きを高めてくれるため、脳疲労の回復も早めます

身体と脳の両方の疲労をとってくれるため、心身ともにすっきりとできることでも注目されています。

<エイジングケア>

ほかにも更年期障害に伴ううつ症状や不安感の軽減や更年期障害の予防、動脈硬化、肌の老化予防が期待できます。特に肌については、紫外線からの皮膚保護作用やヒアルロン酸産生作用が期待できるため、男女問わずに高い効果が期待できます

マカは健康食品ですので、重篤な副作用を引き起こす可能性は低いといわれています。

しかし、多くの栄養成分を含み、栄養効果は非常に高いので、摂りすぎには気を付けておくべきでしょう。

いずれにしても、サプリメントは、あくまで健康の補助として、特定の病気に対する診断・治療・予防・軽減を期待せずに摂取することをお勧め致します。

公開日:5月14 日 監修:クリニックフォアグループ医師

参考文献

わかさ生活 http://www.wakasanohimitsu.jp/seibun/maca/

http://macajapan.com/?page=page14

協同組合藤沢薬業協会 https://www.fujiyaku.org/ygk/?p=4731